反回神経麻痺って知ってますか?


琉球古典芸能コンクールの受験も終わり、一区切り着いたので、お伝えしておきます。

ライブのMCでは一部お話していましたが、実は6月からこの2ヶ月程「反回神経麻痺(はんかいしんけいまひ)」という喉のトラブルと闘っていました。いや、今も闘ってます(闘ってるってのはちょっと大袈裟かもだけどw)。

「反回神経麻痺」をご存知の方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
僕は今回初めて知りました。
簡単に説明しますと、声帯(左右にひとつずつある)を動かすための筋肉を支配する神経「反回神経」が何らかの原因で麻痺してしまい声帯が動かなくなってしまう症状のこと。
声帯が動かなくなることで、声が出なくなったりかすれ・ひっくりかえり・息漏れが起こります。場合によっては物を飲み込んだり呼吸をすることにも影響が出てくるそうです。

僕の場合、右側の声帯が動いていない片側声帯麻痺の状態だったのですが、それが判明したのが6月に音楽監督&唄三線出演をした朗読劇「島守の塔」の本番のなんと4日前!!!
6月頭、風邪から来たと思われる急性咽頭炎&発熱以降声が出にくくなりほとんど歌うことができない状態が続き、焦りと恐怖を抱えながら飛び込んだ隣駅の耳鼻咽喉クリニック(今までとは違うクリニック)の先生が気付いてくれたことが、きっかけでした。

朗読劇の本番は、藁にもすがる思いでお願いし処方してもらったステロイド薬を服用し、なんとかギリギリ歌になる状態まで回復して無事終えられましたが、今思い返しても本当にしんどい数日間でした。
その後は投薬をメインに個人的に毎日少しずつボイトレを続けながらゆっくりゆっくり、ホントにゆっくりゆっくり症状が改善。
本当は先週終えた琉球古典芸能コンクールまでにはどうにか治したかったんだけど、ちょっと難しかったな。
ただ、思うように声の強弱・太さ細さ・息の長さをコントロールできない中でも、どうにか歌えるとこまで回復できたことは本当に良かった♪
なので今回のコンクールでの優秀部門合格は本当にホッとしたのです♪

コンクール後の通院(紹介状を書いてもらって某大学病院に通ってます)でファイバースコープで診てもらったところ、まだ完全ではないものの確実に右側の声帯が動くようになっているとのこと。
現在も引き続きお薬の服用と日々のボイトレ、吸入器でのこまめなケアを行っています。

コロナ禍という世の中の状況もあり、精神的にも本当にしんどい約2ヶ月でしたが(今も治療継続中ですが)、朗読劇もコンクールもギリギリ迷惑をかけることなく乗り越えられたのは本当にラッキーだったなと思います。

あの時、反回神経麻痺の可能性に気付いてくれた耳鼻咽喉クリニックの先生には本当に感謝です。
加えて、3年半ほど前からレッスンを受けているボイストレーナーの小久保先生にも感謝。
先生のレッスンおかげで矯正できた発声法が全く身に付いてない状態だったら、事態はもっととんでもなく酷いことになってたと思う。

喉の不調については4月ごろから感じており、どのタイミングで何が原因で反回神経麻痺が発症したのか今もわかっていませんが、もしかしたら今後参考になる方もいるかもしれないので、日記的に今回の症状の流れを記しておきます。

ボーカリストはじめ声を使うお仕事をされているみなさん、喉の不調の際には早めに病院へ!
そしてお互い気をつけて喉をケアしていきましょうね〜♪

ちなみに僕が毎日使っている吸入器は↓こちらの2つ前のモデルです♪ご参考までに。

【4月上旬頃】
歌唱時の声のかすれや痰の絡みが気になり始める。

【5月7日(金)】
近所の耳鼻咽喉クリニックを受診。喉に少し浮腫みがあるものの声帯には特に問題無しとのことで、炎症を抑える薬と痰を切る薬を処方してもらう。
その後しばらく喉の違和感は軽減。

【6月3日(木)】
突然喉の痛みと鼻水を伴う39度を超える発熱。前出の耳鼻咽喉クリニックを受診。風邪からくる急性咽頭炎との見立て。薬を処方してもらって様子を見る。短期間で熱は治まる。

【6月10日(木)】
熱は下がったものの喉の違和感が無くならないため別の内科クリニックを受診。レントゲン&血液検査に加え念のためPCR検査も(陰性でした)。これまでとは違う薬を処方してもらう。後日、血液検査の結果によると軽い肺炎の兆候が見られる(マイコプラズマ肺炎?)とのことだったが、徐々に症状は軽くなり落ち着く。

【6月18日(金)】
音楽監督&出演予定の朗読劇「島守の塔」本番4日前。喉の不調だけがどうにも治らず全くと言っていいくらい歌うことができない(喋ることはそれほど問題無し)。
急遽夕方に隣駅の耳鼻咽喉クリニックに飛び込み受診。
先生から「反回神経麻痺」の可能性を示唆される。ファイバースコープで見たところ通常声を出す時に左右両方が動くはずの声帯が片方しか動いてないらしい。
大学病院でのCT等の詳細な検査を勧められ、紹介状を書いてもらう。
鼻から差し込んで咽頭の炎症部に薬を塗布。これがメッチャ痛い。

【6月19日(土)】
朝イチで近くの大学病院へ。鼻から入れたファイバースコープで確認したところ、クリニックの先生同様「反回神経麻痺」の所見。やはり右側の声帯が動いてないようだ。肺癌などが原因になることもあるためCT検査が必要だが、いきなり当日の検査はできないためこの日は検査予約のみ。3日後に控えた舞台本番のため藁にもすがる思いでお願いしステロイド薬を処方してもらう。

【6月20日(日)午後】
前日から飲み始めたステロイド薬の効果か、ようやく少しずつ声が出始める。

【6月21日(月)】
朗読劇「島守の塔」前日リハーサル。一部のスタッフ以外には喉のトラブルことは伝えず。自分が歌う「加那よー」のキーを予定より1音半下げて歌い、どうにか無事リハーサルを終える。

【6月22日(火)】
朗読劇「島守の塔」本番。吸入器を楽屋に持ち込みこまめに喉をケアしつつ、無事昼夜2公演を終える。昼公演では前日リハーサルより半音上げて歌った「加那よー」だったが、夜公演では無理せず前日リハーサル同様1音半下げで。鎮魂歌「屋嘉節」では、少々かすれたその声が図らずもエモーショナルな効果に繋がったようだw
個人的には全く満足できる出来ではなかったけれど、出演者とスタッフのみなさんに迷惑をかけることなく歌い舞台を終えられたことに泣きそうなほどの安堵と感謝。

【6月24日(木)】
改めて大学病院にてCT検査。耳鼻咽喉科の担当医の所見では特に大きな問題は無さそうだが、念のため他のX線科の医師(?)の意見も聞きたいとのことで、また改めて後日訪院することに。炎症を抑える薬と痰を切る薬が処方される。

【7月8日(木)】
X線科医師(?)からわずかながら肺炎のような影が認められるとの所見あり。まずはコロナの可能性を否定するため、改めて2日間のPCR検査を受ける(陰性でした)。

【7月14日(水)】
PCR陰性の結果を受けて診断再開。ファイバースコープで見た感じでは、動きの悪かった右側の声帯にほんの少し改善が見られるとのこと。日々ボイトレを続けている自分的にも少しずつ声が出しやすくなってきている感覚あり。薬の効果を期待しつつ引き続き様子を見ることに。

【7月下旬頃】
日々少しずつホントに少しずつ声が出しやすくなっているのを感じる。8月に受験する琉球古典芸能コンクール三線優秀部門課題曲の二揚げ曲の高い部分をどうにか歌えるようになってきた。できればあと半音高いキーで挑みたいのだが、まずは当面は無理せずこのキーで安定して歌えるように練習を続ける。

【8月4日(水)】
喉の状態を鑑み7月はお休みさせてもらっていたボイストレーニングのレッスン(Skype)を受ける。やはり改善しているのを感じる。とは言え、まだ60〜70%くらいの感覚。ただ、数年前の本格的なボイトレを受ける前だったら喉はもっとひどい状態になっていただろうことは確信できる。

【8月8日(日)】
琉球古典芸能コンクール本番。
本当に歌いたかったkeyより半音下げて受験。二揚げ(調弦)曲の「子持節」の高い部分の声のコントロールが難しく、一部声がひっくり返ったりかすれたりして満足いかなかったけど、なんとか無事合格。
心の底からホッとしました。

【8月13日(金)】
通院。ファイバースコープで診てもらったところ、1ヶ月前より確実に右側の声帯が動いているとのこと。症状を早めに発見できたことが回復の早さに繋がっているようだ。声帯周りの筋肉が動いてない状態が長引くと固まって回復しづらくなるので、声は出すようにですって。

【8月14日(土)】
川崎・ゆんたくにて1ヶ月ぶりのライブ。先月よりも確実に声は出るようになってきた。細かい調整がまだ難しかったり、不意にかすれが出てしまったりするが、このまま焦らず回復へのケアを続けたい。

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